DOUJIN JAPAN 2020のこれまで
(2023年3月10日)

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 2020年夏開催予定でした東京オリンピック・パラリンピック開催においては、2019年4月から東京ビッグサイトは東展示棟が使用できなくなり、東京ビッグサイトは、残る西展示棟、2019年4月にオープンした仮設の青海展示棟、2019年7月に新しく誕生した南展示棟の3つを使って、2021年秋までの営業が行われることになっていました。

 面積的には従来の約7割程度となった状況においても、サークルの皆さんに、少しでも新しい作品を作ってもらい、同人活動を続けてもらえるように、また、一般の方にも、少しでも多くの同人誌即売会・専門書店を回っていただけるよう、「DOUJIN JAPAN 2020」というプロジェクトが2019年度から始まりました(最初の発表は2017年12月のコミックマーケット98の2020年GW開催発表と同時に行われました)。これには東京ビッグサイトで同人誌即売会等を開催する7つの団体が幹事団体・事務局となり、他の同人誌即売会や印刷会社、関連企業の皆さんにお声がけを行い、ご協力をいただきました。

 DOUJIN JAPAN 2020の主だった企画としては「新刊カード企画」が挙げられます。これはまず、企画に賛同する印刷会社において新刊を作成したサークルに対して、新刊1種につき新刊カード1枚が印刷会社から配布されます。そのカードを使って、幹事団体や賛同団体からのプレゼント等の引き換えや割引企画を行ったり、イベント開催権の投票用紙としても使用したりと、新刊カードを用いた企画をそれぞれの団体が行いました。

 その他、掲載を希望する同人誌即売会の開催情報を公式Webサイトに掲載してその告知に協力したほか、スタンプラリー等の協賛団体・協賛イベントによる独自企画なども併せて行われました。

 しかしながら、2020年1月からのコロナ禍において、全国の同人誌即売会は、相次いで開催延期・中止に追い込まれるとともに、東京オリンピック・パラリンピックも東京ビッグサイト東展示棟が使用できないまま開催が1年間延期となりました。このコロナ禍のイベントが開催できない状況においては、DOUJIN JAPAN 2020として、同人誌即売会及び関連企業の苦境を様々な形で訴えたり、政治家の方々へのロビー活動を粘り強く行ったりしました(以下にその主だったものを挙げます)。


  • 2020年10月 超党派のマンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟への陳情により、坂井官房副長官(当時)へ要望書が提出。
  • 2021年 4月 マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟への陳情により、加藤官房長官(当時)へ申入と要望書が提出。
  • 2021年 4月 『私たちは、同人誌即売会の開催を続けていきます』としてメッセージを公式Webサイトで発表。
  • 2021年 8月 『東京ビッグサイトにおける同人誌即売会の開催に向けた関係者ラウンドテーブル』を主催、国会議員、都議、国、東京都、業界関係者、有識者の皆さんに集っていただき、コロナ禍での即売会を円滑に開催するための議論が行われる(これがきっかけとなり、2021年12月のコミックマーケット99の開催への具体的な道筋が作られる)
  • 2022年 3月 都民ファーストの会の都議会議員へ陳情。

 また、コロナ禍における主として大規模な同人誌即売会の開催・運営における留意事項を定めた『新型コロナウイルス感染症( COVID-19 )流行下における同人誌即売会の開催ガイドライン』を、専門家のご意見をいただきつつ、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室、文化庁、株式会社東京ビッグサイトとも調整の上、作成・公開しました(2020年12月第1版。以後、最新の状況に合わせて、2021年10月第2版、2022月11月第3版と改訂)。この他、幹事団体の同人誌即売会のいくつかにおいて、INDORさんのご協力のもと、DOUJIN JAPAN 2020としてマスクセットの製作・配布を行いました。

 コロナ禍対策以外にも、東京ベイエリアの開発・まちづくりに関連して、2021年2月~3月に東京都が行ったパブリックコメント募集に対して、DOUJIN JAPAN 2020事務局として意見を送付し、周辺の開発が進むことで、東京ビッグサイトの規模を活かした展示会のスムーズな開催に支障が生じることへの懸念の表明を行いました。

 本来DOUJIN JAPAN 2020は、東京オリンピック・パラリンピック終了とそれに伴う東京ビッグサイトの完全再開と共に、そのプロジェクトを終了する予定でしたが、新刊カード企画については、東京オリンピック・パラリンピックが2021年夏に1年間延期になったこと、そして新型コロナウイルス感染症で多数のイベントが中止・延期になったことを踏まえ、2022年7月まで実施期間を延長しました。また、未だコロナ禍が収束していない状況下において、ある種の「業界ガイドライン」としての『新型コロナウイルス感染症( COVID-19 )流行下における同人誌即売会の開催ガイドライン』を継続していく必要があるため、今しばらく存続いたします。
 コロナ禍の中、当初とは大きくその活動が変わることとなったDOUJIN JAPAN 2020ですが、サークル・一般参加の皆さん、そして、印刷会社及び関連企業の皆さん、さらに様々な関係者の皆さんのご協力のより、再び今、同人誌即売会は開催することができるようになっています。改めて厚くお礼申し上げます。そして、コロナ禍以前の賑わいを取り戻すべく、幹事団体の各イベントもそれぞれにがんばっていきますので、引き続きのご支援・ご声援をよろしくお願いします。

2023年3月10日 DOUJIN JAPAN 2020事務局 (幹事団体)
赤ブーブー通信社/COMIC1準備会/コミックマーケット準備会/コミティア実行委員会/スタジオYOU/博麗神社社務所/Character1 JAPAN



私たちは、同人誌即売会の開催を続けていきます。
(2021年4月28日)

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2020年以降、新型コロナウイルス感染症の流行により、多くの同人誌即売会が中止・延期となりました。

未曽有のウイルス禍は長期化し、2021年4月、すでに3度目となる緊急事態宣言が東京・大阪・兵庫・京都の4都府県に政府より発令され、感染症との闘いが続いています。
このGWに予定されていたコミックマーケット99も3月には今冬へ向けての開催延期を発表しました。同人誌即売会は多数の出展サークルやスタッフの準備期間が必要であり、短期間で中止や開催の判断を迫られることが、主催者のみならず参加者の皆さんの大きな負担となっています。

特に今回は4月26日までの経過措置があり、一部のイベントの開催は認められていたにも関わらず、東京ビッグサイトは経過措置もなく25日からの使用中止を24日に通知するなど、会場利用の停止があまりにも急であり、主催者及び出展者、来場者のみならず、同人誌印刷会社、展示会関連業者等に広範な損害が発生しています。このような取扱に格差があることは大変疑問と考えていますし、そもそも無観客の即売会など成立しません。
イベントが中止になることにより、様々な個人の作品や表現を発表する機会が失なわれ、形ある本が印刷されることが減り、本来あったはずの、作品のやり取りだけではない直接の出会いの場も作られず、多くの参加者を落胆させてもいます。
また、イベントを開催することができたとしても、感染症予防対策や入場者数制限により運営コストが上がるばかりです。
イベントの中止や規模縮小により同人誌が作られない影響は、本を作る同人誌印刷会社や、本を流通する同人書店などを含む、同人誌の世界全体に深刻なダメージを与えています。同人誌に関わる「生態系」の危機がおとずれているのです。このままでは、多くの描き手や読み手にこうした場を提供することで、日本のマンガ等の文化の裾野を拡げてきた貢献を続けていくことも難しくなるでしょう。

DOUJIN JAPAN 2020としても、この事態に昨年の内に感染症専門家の指導の下『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下における同人誌即売会の開催ガイドライン』の作成・公開を行いました。これは主として大規模な同人誌即売会を念頭において作成されていますが、多くの同人誌即売会の主催者の皆さんにも参考になるものと思います。そして、それぞれの判断で、可能な限り同人誌即売会を開催できるためのひとつの方向性を示せたと考えています。

私たちは、他の文化イベントと同様に同人誌即売会を「不要不急」のものとは考えていませんし、これまでも政府・自治体・会場及び上記のガイドラインの下、感染防止を徹底しての開催を行っており、クラスター等も発生させていません。
しかしながら、新型コロナ感染拡大の状況発生から既に1年以上が経過し、3度の緊急事態宣言が出されているにも関わらず、社会全体のために行う防疫措置に伴い、同人誌即売会を含めた一部の関係者のみに過度の負担が生じている状況があります。これに対して、補償その他、公的施策が殆ど整備されていないのが実情です。

このような状況において、同人誌即売会及び同人誌に関わる様々な個人・法人の苦境について、複数の国会議員や都議会議員に声を届け、政府・東京都に対する働きかけをしていただいてもいます。そうした活動を行いながら、私たちはけして挫けることなく開催を継続する道を探っています。

ついては、政府・自治体には、丁寧かつ柔軟な措置、内容や形態が違うものをイベントという言葉で一括りに扱うのではなく、それぞれの特質・事情を考慮した対応を強くお願いします。また、開催中止に当たっての幅広い補償、定員制限に伴う会場費の減免その他、より一層のご支援をいただければと考える次第です。

そして、全ての参加者の皆さんへ。
描き続け、読み続け、サークル参加し続け、同人誌を買い続けて、それぞれのいま出来る同人活動を続けてください。
私たち主催者も、ガイドラインを守りながら感染症対策に努め、いま出来る形の同人誌即売会の開催を続けていきます。
現在のコロナ禍が収束し、「新しい形」を取り入れつつも、当たり前の日常として同人誌即売会が開かれる日が戻ることを信じて、この苦難の時期を共に乗り越えたいと思います。

それでは、またぜひ同人誌即売会の会場で会いましょう!

2021年4月28日 DOUJIN JAPAN 2020事務局


お知らせ

2023/4/25
『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下における同人誌即売会の開催ガイドライン』の廃止と、今後の感染症対策について』を公開しました(2023年4月25日)

2023/3/10
政府の「マスク着用の考え方の見直し等について」に基づき、『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下における同人誌即売会の開催ガイドライン』(Ver3.0)で定めるマスク着用について、3月13日以降の方針を定めました。
2023年3月13日以降のマスク着用に関する方針』(2023年3月10日)

2022/11/18
昨冬にDOUJIN JAPAN 2020として作成・公開した『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下における同人誌即売会の開催ガイドライン』を、最新の状況に合わせて再度改訂しました(Ver3.0)。

2021/10/20
昨冬にDOUJIN JAPAN 2020として作成・公開した『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下における同人誌即売会の開催ガイドライン』を、最新の状況に合わせて改訂しました(Ver2.0)。

2021/10/14
「全国イベントスケジュール一覧」の掲載と「告知絵ハッシュタグキャンペーン」を2022年末をもって終了します。

2021/8
「DOUJIN JAPAN 2020」の「新刊カード」企画は2022年7月末をもって終了しました(賛同同人誌印刷会社よりのカードの配布は2021年末で終了しています)。

2021/04/30
「東京ベイエリア開発に関して東京都が募集したパブリックコメント」 に応募した文書』を公開しました。


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